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研修医日記

透析医療の現状を疑問に思い腎臓内科医になる事にしました。

エネルギー問題と原子力発電 〜研修医と被曝について考えましょう④〜

今まで以下の3つについて触れました。

korokorokoro196.hatenablog.com

korokorokoro196.hatenablog.com

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現在、日本では70%程度を火力発電で、30%を原子力でまかなっています。ちなみに風力とか地熱発電などは1%程度です。

 

 

 

仮に原子力発電を使用しないという選択をした時、私達が取れる極端な選択肢は

1節電する。

風力発電地熱発電を30%まで増やす。

火力発電を100%まで増やす。

の三つです。

 

この選択肢に関して考えていきましょう。

 

1節電する。

私達の潜在的なイメージでは、自然の中で暮らした人達(=つまり経済による恩恵を受けない人達)と都市部で暮らした人達を比較すると自然の中で暮らした人達の方が寿命が長いイメージがあります。

 

しかし、実際は真逆であり、経済力が強く、その一例として一人あたりの医療費が高い国程、平均寿命が長いという事実があります。

 

悲しい事かもしれませんが、一般的にお金があれば健康であり、お金が無ければ健康になれないのが実情です。

http://aje.oxfordjournals.org/content/173/2/192.full

http://www.oecd.org/els/health-systems/49105858.pdf

 

国家として考えた時、多くの国民の健康守るために経済を強くする、経済成長を促進する事は責務であります。

 

 

仮に国として、節電。つまり必要な電力に対して、供給を抑える事をすれば、電気代は高騰します。そうすると、企業の負担は増します。現段階ではその負担はリストラや人件費カットに流れる事でしょう。

 

 

ちなみに病院一つで考えてみても、医療費を削減する流れとなり診療報酬が削減。病院の収入が減ります。病院の支出の半分程度が人件費で成り立っている以上、人件費カット、時間外労働へ向かい過労、ストレスが増し、医療者の生活習慣が乱れます。こういう所まで予想してみると節電という選択肢は、ある程度は必要かもしれませんがかなり現実離れしているし、賢明な選択肢ではないと思われます。

 

風力発電地熱発電を30%まで増やす。

 

仮に原子力発電1基停止させると、東京の山の手線内を全てソーラーパネルで埋める必要があります。つまり、その圏内の生態系は破綻します。ソーラーパネルに使用されるカドミウムは小学校で習うイタイイタイ病の原因物質であり、その健康被害も懸念されます。どんなエネルギーも生産すると必ず害を生みます。常に、low risk high returnの考え方を捨ててはいけません。

 

 

このように自然エネルギーを考える上で、設備建設時の事故のリスクやエネルギーの不安定さから生じるリスクも考えていかなければなりません。また大量の金銭をつぎ込んでエネルギーを生産してもシワ寄せは医療費や教育費を始めとした他の業界に寄せられます。

 

 

風力発電については上記のエネルギーの効率の悪さに加えて、主に下記の3点が弱点とされています。

◼︎安定しない供給によりピーク時は電線が耐えきれず電力を捨てる事になる、ボトム期は停電する。

◼︎風力の発電による低周波などの騒音がそもそも嘔吐の原因に繋がるとの報告あり

◼︎野鳥の殺戮により生態系が崩れる

 

ちなみに風力発電に踏み切った国としてドイツとスペインを例に挙げる事が多いのですが、ドイツでは電気代の高騰が止まらず、更に2006年の11月に1500万世帯の大停電を起こしています。(冬の停電は脳疾患や心筋梗塞に繋がったのではないかと考えてしまいます。)スペインでは、ピーク時やボトム期には隣の原子力発電で電力をまかなっているフランスから電力を受け入れています。

 

 

自然エネルギーは上手く使用できれば、素晴らしいエネルギーになる可能性は秘めているかもしれません。ですが、現段階で明らかにhigh risk low returnです。その結果、日本でもシェアは1%も満たしません。諸外国を見てもほとんどの国で失敗に終わっています。

 

 

 

火力発電を100%まで増やす。

結局、現段階でこの選択肢が一番現実的な選択肢になっています。しかしこの選択肢にも大きな穴があります。特に以下の2点。

 

◼︎そもそも火力発電は原子力発電に比べて500倍以上の人命を犠牲にしてエネルギーを生み出す。

 

まず、一番考えなければならないのは、大気汚染による死亡者数です。WHO2009年は日本における大気汚染による死亡者数は年間3-5万人と発表しました。例えば喘息やCOPDなどの呼吸疾患したり、心臓発作の一因になり、それらの様々な原因を総括した結果、日本のみで3-5万人死亡するとされています。

 

しかしあまり直接的でないためピンとこないのが、私の感覚でしたが直接的な一例を出すと、鉱山で働く人達は小さな粒子を吸い込んでしまい、結局じん肺という呼吸器疾患になりやすくなります。平成14年には年間1000人以上の死亡者が確認されています。

 

 

更に大きくみると石油を巡った戦争で多くの人がなくなります。このような計算を総括すると火力発電は原子力発電に比べて500倍以上の人命を犠牲にしてエネルギーを生産します。ウラン採掘のためには人力は極端に必要なく、インシチュリーチング法というポンプでの汲み上げを使用します。また資源に対するエネルギー量が数百万倍以上あるので、そもそも効率が良過ぎます。

 

 

原子力発電は事故の可能性が低いが、起きると大事故になる。

火力発電は大きな事故はあまり聞かないが、ジャブのように多くの健康を蝕む。

(油田事故や石油タンカー事故を考えると大きな事故がないというのも、疑問が残るがあくまでイメージ上の話です。)

 

というのが、ざっくりとした結論だと思います。

 

 

◼︎シェールガスによるアラブとアメリカの談合

 

アメリカでシェールガスが生産されるようになり、資源を自国でまかなう事が可能になるというのが専門家達の大方の予想だそうです。

数十年前から、アメリカはアラブと戦争や経済的な争いを繰り返していますが、大きな対立軸は『石油を高く売りたいアラブ』と『石油を安く買いたいアメリカ』という構図が一因を担っていた事が考えられる。(あくまで一因にすぎないと信じています。)

 

 

しかしシェールガスの誕生でアメリカが石油を必要としなくなった。むしろ、経済的な事を考えると、中国や日本、ドイツに石油にかける負担を増やして、自国の製品との価格競争において有利に進めたい気持ちがあると思います。

 

 

つまり、アメリカも石油の値段を上げたいと思うのは普通に考えれば分かると思います。(政治の深い所はわかりませんが、自然に考えればという意味。)アラブという資源を武器にした政治力とアメリカという政治力がどう世界を影響させていくのかはこれまでと違う話しになっていきそうと予想できます。

 

 

ソースは不確かであり、明かす事は出来ないのですが実際そのような動きがあるらしく、特にドイツでは自然エネルギーへの転換を再び議論する流れになっているそうです。

 

 

日本が持つ、原子力という選択肢には高い技術力が必要であり、アジアのこれから発展する途上国に簡単に導入できない選択肢になると思われます。そういう国は現段階で火力発電を使用し続けるしかないのに需要は増え続けてドンドン石油の値段は高騰すると思います。

 

その土俵にあえて、立つ必要性があるのかは私は疑問です。何度も触れますが、人々の健康を守るのはまず経済力だと思っています。それが大前提です。その法則に反した国はキューバぐらいしか私は知りません。(←いつか記事書きます。)

 

 

 

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この記事では極端な3つの選択肢について触れました。勿論、この記事では健康と経済という物差しでしか考えていないため、もっと文学的視点、倫理的視点を議論に組み込まないといけないことを自負しています。

 

特に倫理的な視点に関しては私は医療者であるため、一歩人より踏み込む必要があると思います。

 

 

次の記事が最後の記事になります。今までと違って、個人的な見解も含めたとある研修医なりの考えを綴っていこうと思います。

 

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