千葉県の腎臓内科医のブログ

透析医療の現状を疑問に思い腎臓内科医になる事にしました。

CKD患者にSGLT-2阻害薬は使ってよいのか?

ブログを移転しました。5秒後に移転先記事に移動します。

EMPA-REG OUTCOME試験のサブ解析でSGLT-2阻害薬に腎保護作用があるという報告が出てから腎臓内科医にとって

 

「SGLT-2阻害薬がeGFRがどのくらい低下するまで使えるか」

 

というのはとても気になるところである。という事でSGLT-2阻害薬について自分なりにまとめてみました。

 

1:なぜ効果があるのか 2:どのくらい効果があるのか 3:どのSGLT-2阻害薬が良いのか 4:eGFRどこまで使ってよいのか。(建前) 5:eGFRどこまで使ってよいのか。(実際)

 1:なぜ効果があるのか(生理学的)

 ざっくり言うと、糖-Na再吸収を抑える→遠位尿細管に届くNaが増える。→マクラデンサが尿中Naと勘違いする→糸球体のFeedback下がる→輸入細動脈に流れる血流下がる→糸球体内圧が下がる。

 

『Empagliflozin, Cardiovascular Outcomes, and Mortality in Type 2 Diabetes』http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1504720#t=article

dm-rg.net

 2:どのくらい効果があるのか

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『EMPA-REG OUTCOME: The Nephrologist's Point of View』http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0002934317304606

RAS系を飲んでる人が7-8割いるのも関わらずしっかりと結果を残している。しかし新規尿中Albの出現抑制は認めず。機序からも糖尿病性腎症初期の過剰濾過のときに使うのが使い時なのであろう。

 3:どのSGLT-2阻害薬が良いのか

 今月のカナグロフロジンの臨床研究の報告次第ではあるが、今のところジャディアンスの一人勝ちのイメージ。シンプルに

 ジャディアンス 10mgもしくは25mgと覚える。

 4:eGFRどこまで使ってよいのか。(建前)

 

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『EMPA-REG OUTCOME: The Nephrologist's Point of View』http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0002934317304606

 Simple is best→赤い所だけ覚える。ガイドライン、添付文章的にはeGFR<45は基本使わない。

 5:eGFRどこまで使ってよいのか。(実際)

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『EMPA-REG OUTCOME: The Nephrologist's Point of View』http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0002934317304606

 eGFR30-45に関しては症例によっては効果がある。しかしeGFR30以下には効果がない。

 

 後、これはスーグラの話ではあるが、下記のような記事あり。 

www.carenet.com

 

 高齢、痩せ、腎機能低下では使わない方が無難。30人に1人の低血糖が生じる可能性あり。結構多いかも。

 

 

<まとめ>

・SGLT-2阻害薬は糖尿病性腎症の進行抑制にはなりそう。eGFRが保たれている人は積極的に使いたい。今後もっと市民権を得ていくと思われる。

・副作用は尿路感染、低血糖などが報告されているが数字を見た限りそこまで気にしなくて良い。

・eGFR30-45に関しては、症例を見て検討。それ以下は現段階では使わない。RASが腎機能が悪くなってもギリギリまで使用されるようになったみたいに、今後使用される適応は増えていくのではないだろうか。