千葉県の腎臓内科医のブログ

透析医療の現状を疑問に思い腎臓内科医になる事にしました。

微小変化型ネフローゼ症候群

先日はネフローゼ症候群に関して書きました。

 

korokorokoro196.hatenablog.com

 

症候『群』って書いてある通り、ネフローゼ症候群は特定の病気ではなく、いろんな疾患(厳密には状態)を集めたものです。『ラーメン』が塩ラーメン、醤油ラーメン、味噌ラーメンの総称であるようなものだと思ってください。(良い例が思いつきませんでした・・・。)

 

今日はネフローゼ症候群の中で、『微小変化型ネフローゼ』に関してです。

 

 

微小変化型ネフローゼは小児〜成人にかけて比較的若い人におきます。腎臓内科医としては数あるネフローゼ症候群の疾患の中では、予後が良い疾患であり今後透析に移行する可能性が比較的低いため少し安心する疾患です。

 

しかしながら30-70%再発するため、患者さんや患者さんのご家族としては長く付き合っていく病気のため苦労がある病気だと思います。

 

症状としては、浮腫、体重増加( 1週間に3kgぐらい普通に増えます。)、下痢、尿の泡立ちなどが一般的で重症だと呼吸苦、無尿なども生じます。特徴としては他の疾患に比べて、発症日時がわかりやすい事が挙げられ、『なんか先週の日曜日から急に浮腫んだんですよー』みたいな言い方をする事が多いです。風邪や虫刺されがきっかけになり、発症する事が多いとも言われていますが、原因はわかっていません。

 

 

診断は問診、採血、採尿、画像検査に加えて腎生検という腎臓の組織を取ってきて顕微鏡でみる検査をします。

korokorokoro196.hatenablog.com

 

 

治療としては、ステロイドを使用した免疫抑制の治療を行います。大方、ステロイドに反応して治療できる事が多いです。しかしながらステロイドによる治療は、一度聞いたからすぐにやめる事はできず、ゆっくりゆっくり減らしていきます。またステロイドには副作用があり、血糖値が高くなったり、高血圧になったり、骨がもろくなったりします。適宜、その副作用に対して予防薬を内服するため数種類の薬と半年〜二年間ぐらいお付き合いする事になります。

 

 

ステロイドはよく効くのですが、再発の頻度が高く、特にステロイドを減量していく途中で再発したりします。再発した際には再びステロイド増量して仕切り直しをします。主治医の考え方にもよりますが、ケースバイケースでステロイドに加えてシクロスポリンという免疫抑制剤を加えて二剤使用し治療していきます。中には再発を繰り返す症例があります。最近リツキサンという血液内科で使用されていた薬が、再発を繰り返す微小変化型ネフローゼ症候群でよく効くのではないかと言われています。実際、私の先輩方や学会の発表ではリツキサンが次世代の治療の中心になるという声が多いです。

 

 

しかしながら、まだまだ新しい薬でありガイドラインという学会公式の教科書には、積極的使用を推奨しておりません。2014年が最新なのですが、2017年のガイドラインでは推奨度が上がるのではないかと個人的に思っていますが、待ちましょう。ちなみに現段階では一定の条件を満たした患者さんのみ保険適応になります。

下に2014年のガイドラインのURLを貼ったのでご興味があれば。無料です。

http://minds4.jcqhc.or.jp/minds/neph/neph2014.pdf

 

 

治療に関しては比較的な稀な疾患のため絶対的な研究も少なく、絶対的な王道の治療法もありません。その人の患者背景を見て主治医がデザインしていく事が多いため、私のこの記事と実際の治療が異なる場合は、絶対的に主治医の判断を優先してください。(混乱を招くような事だけは避けたいものです・・・。)

 

 

まとめると、予後は良いものの、再発が多い病気です。原因はよくわかっていませんが、免疫抑制が主流の治療になります。治療法の開発が進んできていますが、再発に関しては早期発見、早期治療が良いと思います。

 

僕は個人的には患者さんに薬局やamazonで試験紙を買ってもらって何か変だなと思ったら調べてもらってます。そうする事で病院受診する事の迷いが消えるのと、大丈夫だった時の不安が消えると思っています。あくまで自己責任の検査で同業者から身勝手と言われる事もありますが世の中の使えるツールはどんどん使って、患者さんにどんどん情報提供していく方が良いと思っています。amazonのURLを貼っておきます。

www.amazon.co.jp

 

なるべく書く内容を絞りましたが、追加した方が良い情報、知りたい情報などがあれば教えていただけると幸いです。